初心者の現場監督さんは上司から工程表を渡されます。
ただ上司も忙しくてなかなか詳しい説明も受けられないため、なにをどう見たらよいかわかりません。
そんな放置された初心者サブコン現場監督さんの為に工程表の見るべきポイントを解説します。
この記事を読むことで工程表の見方について1つの指標が分かり、スムーズな工程管理を行う参考になります。
是非最後まで読んでみてください。
工程表を見るべきポイントは3つです!
サブコンの現場監督が見る工程表は大きく分けて以下の3つに別れます。
◆月間工程表
◆週間工程表
それぞれの工程表の用途は違いますが、見るべきポイントは共通してこの3つになります。
②その作業の前後の作業はどんな作業なのか?
③その作業はどのくらいの時間を要するのか?
いつやる作業なのかが分かっていれば、それまでに図面を準備して材料や機器·作業員さんの手配をすればいいだけです。
前後の作業が何なのかが分かっていれば、細かな工程変更があったとしても、他業種との調整もスムーズに行うことができます。
そして作業にどのくらいの時間を要するのかが分かっていれば、他業種から調整の打診があったとしても、調整可能かどうか迅速に判断することができます。
この3つのポイントを把握すれば工程管理はできます。
しかし、ここに色んな他業種の作業が絡み合ってきて、訳が分からなくなってしまいます。
これが工程表を理解する上で難しいと感じる理由です。
具体的に何をどうみればよいか順に詳しく解説します。
マスター工程表で見るべきポイント
着工から竣工までの大きなトピックスが書かれた工程表がマスター工程表です。
おおまかな現場作業の流れや仮設計画、諸官庁提出書類への提出時期などが書かれています。
このマスター工程表で初心者の現場監督が把握するべきポイントを紹介します。
これをなぜ把握しなければならないかというと、自分のやらなければならないタスクの期限が分からないからです。
図面の作成や施工計画書の作成、材料手配等をざっくりいつまでにしないといけないかを明確にします。
そうすることで自分1人でできるのか、図面屋さんにある程度作成してもらうのかの判断材料になります。
作業員さんが作業する工程を考えがちですが、自分の作業工程をまず考えなければなりません。
そこをまず、マスター工程表で把握できるようになりましょう。
新型コロナウィルスの影響もあり、重要機器の製作期間が従来よりも日数がかかる傾向にあります。
エアハンや空調機、ファンやポンプ類です。
見落としがちなのが、自動制御盤です。ブレーカー類が半導体不足の影響で入手困難になってしまっています。
製作期間の影響で竣工日を遅らさざるを得ない状況になる可能性も十分にあります。
仮に機械は竣工に間に合っても付随する配管ダクトの施工や、試運転が間に合わない場合があるので注意が必要です。
諸官庁提出書類というのは、工事を行う前や行ったあとに役所や消防に提出しなければならない書類のことです。
着工30日前に提出する義務があるものや設置後10日以内に提出しなければならないもの等があります。
条例や法令で定められているものなので、必ず提出しなければなりません。
仮に提出が遅れてしまうと、着工が遅れてしまう可能性があります。
最悪の場合、竣工が遅れてしまう可能性がありますので必ず抑えておきたいポイントの1つになります。
月間工程表で見るべきポイント
マスター工程表を元に、直近1ヶ月で行わなければならない作業が書かれた工程表が月間工程表です。
この工程表から細かい作業の項目が出てきます。
躯体工事だと柱鉄筋やスラブ型枠、また鉄骨建方やデッキ敷き·コンクリート打設等になります。
内装工事であれば、壁軽鉄下地やボード貼り、サッシ取付やクロス、床シート貼り等です。
これらの作業項目で細かい工程の調整を行います。
この月間工程表で見るべきポイントを紹介します。
設備工事がどの作業とどの作業の間にあるかを確認する。
1つ1つの作業は何かの作業が終わってからじゃないと作業することが出来ませんし、他の何かの作業が始まるまでに当該作業を終わらさなければなりません。
その自分の担当する作業が何と何の間に行う作業なのかを確認することが大切です。
スリーブ工事ならば、鉄筋作業と型枠建込作業との間に行わなければなりません。
天井配管作業は天井下地の作業が始まるまでに完了させなければなりません。
前後の作業がどうゆう状態で進捗するのかを、随時確認する必要があります。
場合によっては材料や作業員さんの手配を前倒しなり後ろ倒しなり調整しなければなりません。
初心者の現場監督さんはまず工程調整できるように、工程表で前後の作業を把握しておきましょう。
週間工程表で見るべきポイント
月間工程表をエリア毎に細かく表現し、材料の置き場や毎日の搬入計画を明確にしたものが週間工程表です。
非常に細かく、1日1日の作業量が分かりやすくなります。
週間工程表と言ってもその週だけでなく来週から再来週の半ばまでを確認する工程表が主流です。
ここで見るべきポイントは、作業する細かい日付かはっきりしているかどうかを確認します。
来週からきちんと月間工程表通りの作業ができるのかを確認し、材料や作業員の配置を明確にしなければならないからです。月間工程表だとだいたいこの週からというニュアンスですが、週間工程表ではカチッと決めなければいけません。
それがきちんと明確になっていなければ、細かく調整する必要があります。
また作業エリアの取り合いがきちんとできているかも週間工程表を確認するときに重要になります。
作業するときには作業エリアをあけてもらうだけでは作業ができません。
材料置き場や加工場が必要だからです。
意外と忘れがちで、きちんそのエリア確保しないと作業員さんがスムーズに作業できません。
作業エリアまでの動線もきちんと把握しておく必要があります。
作業エリアまで道具や材料を持ってたどり着けないことがないように、周辺の作業も週間工程表で把握しておきましょう。
一番分かりやすいのが日毎に図面に作業内容を書く絵工程を作ることをオススメします。
線だけ引っ張っている工程表とは違って、線だけでは見えない問題点が見えてきます。
初心者の方は週間工程表を必ず図面に落とし込んで確認するようにしましょう。
まとめ
工程表とは工程管理を行う上で非常に大切なものであり、なくてはならないツールの1つです。
現場に配属になって工程表がなかったら、その現場はかなり危険な状態です。
工事を無事竣工に導く為の道しるべになるのが工程表です。
その道しるべが間違っている時が多くあります。
順番が逆になってたり、作業期間が短すぎたり、そもそもその項目いる?と疑問になるものもあります。
疑いを持って工程表を見てください。
きちんと理解して、ポイントを抑えることが初心者にとってまず大切なことです。
そのためにも、最初は上記紹介した3つのポイントを確認して工程管理に役立ててみてください。
そして、、工程管理がうまくいった時の快感を是非味わってみてください。
材料の納入日と作業員さんの人員配置がバシッと決まって、予定より前倒しで作業を終わらせることができれば工程管理がより一層楽しくなります。
前向きに取り組んで、どんどん成長してもらえれば嬉しいです。
ゆくゆくは日本の人たちの縁の下の力持ちの存在になれるよう立派な現場監督になりましょう!
一緒に頑張りましょうね!
じゃ!そゆことで!
ご安全に!