30代共働きの建設業パパ【ビルディングパパ】です。
僕は、約11年間サブコンの新築工事現場監督として仕事をしていました。
その中で一番時間を費やしたタスクがあります。
それが「施工図の作成」です。
時間があるだけ施工図検討に時間を費やしていました。
今思えば、結局時間だけかかってしまって、気づいたら施工図しか書いておらず、他の仕事の時間がなくなってしまっていました。
CADについては、操作方法や細かい手法はいろんなところで紹介されていますので割愛します。
ここでは僕が気をつけている建築設備、特に機械設備の施工図を終わらす5つのポイントを教えます。
この記事を読むことで、建築設備の施工図作成のポイントを知ることができ、ダラダラと図面を書くことがなくなります。
そして結果的に、早く家に帰られるようになります。
僕が実証済みです。
ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
【必見】元サブコン監督が施工図を終わらす5つのポイントを教えます!
完璧な施工図はこの世に存在しない
まずこのことを頭に叩き込んでください。
必ずどこかで、他の設備と干渉したり、支持と干渉します。人間が書く施工図なので当然のことです。ミスは必ずあります。
ただ、裏を返せばどんなに時間をかけて図面を書いてもどこかで必ず問題が出るということです。
ならば、明確なポイントを押さえて体裁を整えれば、あとは現場で対応すれば良いんです。
そうすれば、施工図は永遠に作成し続けることなくきちんと終わりを迎えます。
きちんとポイントを押さえているので大きなやり直しもなく、少々の干渉は現場で判断して解決できます。
では、そのポイントとはなんでしょうか?
PSと梁や床の段差梁との関係
梁の下端と天井高さとの関係
区画壁と配管・ダクトルートの関係
内装仕上げの補強との関係
体裁
順に説明していきます。
ポイント①:PSと構造との関係
施工図で一番最初にすることはこれです。よくPS・DSと梁が干渉しているのでそのPS・DSが充分に使えない可能性があります。まずここを押さえます。
また注意してほしいのが、床の段差梁です。段差梁とは床の段差のところに鉄筋で梁のような構造を床の段差部分に構築する場合があります。
特に段差が大きい時にはほとんどの場合、段差梁があるので注意が必要です。
まずこのPS・DSを確認して、干渉しているのであれば変更要望を提出し、設計者の判断を仰ぎます。
構造を変えるのか、PS・DSの位置を変更するのかのどちらかになります。
慣れてくると建築意匠図をみるだけで納まらないことが瞬時に分かるようになります。
ポイント②:梁下端と天井高さとの関係
続いては天井の懐を確認します。
基本的に一番低い梁の下端と天井高さを確認することによって配管・ダクトが通る有効寸法が分かります。
これをまず算出して、一番大きいダクトが通るかどうか確認します。
通らなければ天井を下げてもらう要望を出しましょう。
※梁貫通は基本的に考えないようにします。効果的に梁貫通を使用する場合もあるので、その裏技は別の記事で紹介します。
あともう一つ考えるべきことは、排水の勾配と通気の高さです。
一般的に排水100Aの配管であれば、勾配は1/100なので末端からPSまでの間で梁下をずっと通せるか確認します。
通せない場合はダクトの時と同じく、天井高さを下げてもらいましょう。
通気は排水管から45度以上の上取り出しとなるため、どうしても梁下バでは納まらないこと場合は梁貫通を検討しましょう。
一番大きなダクトもしくは配管と勾配もの(排水・通気)が天井の中に納まれば、あとはどうにでもなります。
ポイント③:区画壁と配管ルートの関係
続いて区画壁との関係です。
特に防火区画と114条区画は注意が必要です。
直行するダクト配管はそこまで重要ではないですが、区画壁に並行して走るダクト・配管は極力避けた方がいいです。
理由は区画壁はスラブからスラブまでの壁となります。
区画壁の施工が終わらないとその横の配管ダクトは施工できないため、壁の施工が終わるまで待っておかなければならないからです。
壁を形成するためには、施工スペースが必要です。
やむおえず並行する場合は、必ず1m以上離隔があるか確認してください。
ポイント④:内装仕上げの補強との関係
これは結構見落としがちなポイントです。
扉の建具を取り付けするために補強下地を取り付けします。
その補強下地は、たとえ天下の壁であってもスラブまで伸びてくることがほとんどです。
天下の壁では重量的に持たない等が理由です。
なので、扉のちょうど際のところには配管やダクトは通りません。
そこは例え天下壁であっても避けるようにしましょう。逆に扉のど真ん中は比較的通りやすいのでお勧めです。
カーテンウォールも天井裏に大きな下地やブレスがあります。前もって建築担当から詳細図面をもらい、ダクトや配管が通る場所を明示して、逆に下地側で避けてもらえるのがベスト
意匠図を見るだけで下地等の障害物が瞬時にわかる目を持つことが、設備の現場監督にとって必要な能力になります。
ポイント⑤:体裁を整える
最後は体裁を整えます。
職人さんにとって1枚の図面で施工できるのが一番いいですし、親切です。
配管やダクト図面の横に簡単な要領を記載しましょう。
吊りピッチや振れどめの要領などを載せておくことで、わざわざ要領書を開かなくてもいいようになります。
職人さんの手間が省かれスムーズに作業できるようになります。
細かい施工要領は、どんな現場でも変わらないことが多いです。
つまり今の現場で作れば、これから先も転用できます。
最初はしんどいかもしれませんが、自分だけの要領をストックしていけば、後々すごく楽になります。
まとめ
建築設備の施工図作成は、サブコンの現場監督にとっては非常に手間のかかるタスクです。
今では図面屋さんに書いてもらう人も多くいるでしょう。
ただ、僕はお勧めしません。
寸法を入れたり、傍記を入れてもらったり、体裁を整えてもらうだけのいわゆるCADオペさんにやってもらうのはアリだと思います。
しかし、図面検討を図面屋さんに任せるとなかなか自分の頭に建物の仕組みが入りません。
一番最初のたたきの図面はいいかもしれませんが、そこからは自分で作成しましょう。
特に若いうちは書かないとわからないことが山ほどあります。自分の成長の為にもぜひチャレンジしてください。
施工要領については色々細いところもあるので、今後時間をかけて紹介していきます。
これからも、具体的な施工図作成方法等サブコンの現場監督さんのためになる情報を発信していきますので、引き続きよろしくお願いします。
じゃ!
そゆことで!